保険診療

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保険診療

皮膚科岡田佳子医院は保険証を使って病気を治す保険診療「一般皮膚科」と、きれいに治す事が目的の自費診療「美容皮フ科」の2つにわかれています。

脂漏性皮膚炎

特徴: 頭部、顔面、耳、胸部などの脂漏部位に生じる湿疹。原因は皮脂分泌の亢進、皮脂成分の異常、常在菌であるマラセチア菌の増殖、ビタミンの不足、ストレスなど。
治療: 赤味やかゆみがおさまるまでステロイド外用薬をお塗りいただき、良くなれば再発防止の為、ケトコナゾール外用薬を処方します。かゆみの強い例では、かくことによる悪化を防ぐため抗アレルギー剤の投与を行う。ミコナゾール硝酸塩を配合したシャンプー（保険適用あり）を使用することでマラセチア菌の減少が期待できます。
ケア: 洗髪は連日が望ましい。鱗屑を無理に取ろうと爪を立てないことが大切。

帯状疱疹

特徴: 小児期にかかった水ぼうそうが治癒した後、神経節に潜伏していたウイルス（水痘・帯状疱疹ウイルス）が数十年後に再活性化して生じる感染症。後遺症としての神経痛（帯状疱疹後神経痛［PHN］）を残すことがある。生涯に一度しかかからないと言われてましたが、2、3回かかる方も最近は多いです。
治療: 神経痛が残らないように1日も早く診断して抗ヘルペスウイルス薬内服治療を開始すると治ります。放置すると一生涯痛みに苦しみます。
ケア: 急性期にはなるべく無理をしない、安静を心がける。疲労、ストレスなどにより免疫が低下したことがきっかけになる。帯状疱疹のワクチンを55歳過ぎるとおすすめしています。自費で7,000円で高額ですが、ワクチンをおすすめします。当院従業員や院長もワクチンを7、8年に1回打っています。もし万が一、罹患しても軽症で済んだり…などおすすめです。8年くらいの周期で起こると言われてます。

皮脂欠乏性湿疹

特徴: 肌に潤いがなくなり、カサカサしてくる高齢者のドライスキン。老人性乾皮症や皮脂欠乏症になるとかゆみがともなって掻破しがちになり、湿疹化状態を招く。これが皮脂欠乏性湿疹になっていきます。
治療: 保湿外用薬を入浴後と朝に外用する。かゆみに対して抗ヒスタミン薬の内服を併用する。中位のステロイド外用薬を入浴後と朝に外用する。炎症がおさまったら、保湿外用薬を継続外用する。
ケア: 加湿器を使用するなど。熱いお風呂には長時間浸からないようにし、過度に洗わないようにする。
ナイロンタオルは中止。

蕁麻疹

特徴: かゆみを伴う紅斑や膨疹が出没する疾患。個々の皮疹は通常24時間以内に痕を残さずに消えることがほとんどです。特発性のうち、症状が3～10日程度でおさまるものを急性蕁麻疹、１ヵ月以上続くものを慢性蕁麻疹と呼びます。
治療: 急性蕁麻疹の場合は抗ヒスタミン薬を軽快するまで処方します。慢性蕁麻疹の場合は抗ヒスタミン薬を軽快後も長めの期間内服をおすすめします。難治な場合には抗ヒスタミン薬の増量や変更、補助的治療（H₂拮抗薬やロイコトリエン拮抗薬など）を併用する。さらに治りにくい方はゾレアなどの月1回の注射療法もあります。
ケア: 入浴の際は、熱すぎる湯、長湯は避ける。

乾癬

特徴: 遺伝素因を背景に種々の後天的な因子が加わって発症します。近年、メタボリックシンドロームが乾癬の発症や悪化因子として注目されている。日本では人口の0.1％弱がかかっているといわれています。
治療: ステロイド外用薬、活性型ビタミンD₃外用薬が治療の基本。外用療法のみで良くならない時は、光線療法や内服薬による全身療法を行う。当院ではナローバンドやエキシマレーザーの光線療法が保険適用で受けられます。
ケア: 乾癬の悪化因子は、気候、精神的ストレス、疲労、食生活、感染症など患者さんごとにさまざま。生活の中で悪化因子となっていそうなものがある場合、取り除くよう心がける。乾燥が悪化因子となる場合は、保湿に努める。

胼胝（タコ）、鶏眼（ウオノメ）

特徴: 胼胝（タコ）や鶏眼（ウオノメ）は、長期間の慢性的な刺激（圧迫や摩擦）が加わることで、生理的な防御反応として角質が厚くなり、タコやウオノメになります。
胼胝: 角層がある範囲で厚く盛り上がっていて、硬く触れる。圧痛はない。
鶏眼: 厚くなった角質の中心に白色から半透明の硬い芯が食い込み、鶏や魚の目のように見える。この芯の部分は、角質がかっちりと楔形にはまりこんで真皮内の神経を刺激するため、歩行や圧迫により疼痛を伴います。
治療: 厚くなった角質を安全カミソリやメスで削る。スピール膏などを貼って角質を軟らかくしてから、安全カミソリやメスで削る。
ケア: 足に合った靴を選択する（靴底が薄い靴は避ける。中敷きを入れ刺激を和らげる。ハイヒールなど足先に体重がかかる靴を控える）。毎日同じ靴ではなく、いろいろな靴を毎日替えて履くようにして下さい。角質軟化剤、保湿外用薬を用いてスキンケアを行う。

掌蹠膿疱症

特徴: 手のひらと足の裏に小さな膿疱が多発。膿疱が乾くと茶色いかさぶたになり、それが裂ける。慢性に経過する疾患。
治療: 扁桃炎や齲歯、歯周病などくすぶる感染症（病巣感染）、喫煙、体内にある金属（義歯など）が免疫を刺激することが悪化因子となっていることがある。歯科や耳鼻科を受診してして病巣感染がないかを確認し、あれば治療する。扁桃摘出、歯科治療、金属の除去、禁煙などを行う。薬物療法の基本は、ビオチン内服、ステロイド外用薬や活性型ビタミンD₃外用薬。外用薬では改善しない例では、当院においてはナローバンドやエキシマレーザーなどの光線療法を併用します。
ケア: 禁煙（家族の方も協力してもらって下さい）
虫歯の治療や虫歯にならないように気をつけて下さい。

汗疹（あせも）

特徴: 多量の汗を生じさせる状況で、体を中心に細かい水ぶくれが出現する疾患。一般的に自覚症状はないが、紅色調になり炎症を伴う紅色汗疹は、かゆみを伴うことがある。表皮角層での汗管の閉塞から、角層下に水ぶくれを生じるとされている。
治療: 炎症を伴う汗疹でかゆみを伴う場合は、ステロイド外用薬を塗布。
ケア: 高温の環境を避ける。室内暖房の温度調節を適切に行う。

尋常性白斑

特徴: 表皮の基底層にある色素細胞が消失し、境界がはっきりした完全脱色素斑（色素のない白斑）を生じる疾患。病変の分布から、神経支配領域に一致して白斑を生じる神経分節型と身体の色々な部位に白斑を生じる非分節型に分けられる。早期に治療するのが望ましい。
治療: 基本は外用療法。ステロイド外用薬や免疫抑制外用薬、当院ではナローバンドやエキシマレーザーの光線療法が保険適応があります。
ケア: 通常白斑治療は数ヵ月から数年かかるので根気よく治療を続ける。治療で効果があると白斑の中に点状の色素斑ができ、徐々に拡大し、少しずつ改善していきます。

円形脱毛症

特徴: 後天性脱毛症の中で最も頻度の高い疾患。前兆の症状を欠く円形の脱毛が頭部だけでなくすべての毛髪部に生じる。原因は毛包組織に対する自己免疫疾患と考えられているが、遺伝的背景も示唆される。アトピー性皮膚炎に合併すると頻回に起こり回数が増すにつれて治りにくくなる為、早期に治療する事をおすすめします。
液体窒素による刺激療法やナローバンド、エキシマレーザーの光線療法を行います。
治療: ステロイド外用、ステロイド局注、光線療法など。
ケア: 精神的ストレスが原因である症例はごく一部。原因をストレスのみと決めつけないことが大切。病変が小さいうちに早期治療を開始する。

手湿疹（主婦湿疹）

特徴: 手指の先端に乾燥、鱗屑、軽度の角化を生じ、進行すると手のひら、手指背にも拡大し、紅斑、小さい水ぶくれを混じてかゆみが強くなることがある。家事に携わる主婦の手によく生じることから主婦湿疹とも呼ばれ、水仕事を何回も行う美容師や調理師、手指をよく使う人に生じる。頻繁な手洗い、洗剤の使用などで角質の水分保持力が低下し皮膚バリア機能が弱まったところに、皮膚への刺激が加わり症状が悪化する。
治療: 尿素軟膏、ヘパリン類似物質などの外用。炎症の強い部位にはステロイド外用薬の塗布。かゆみが強い時には抗ヒスタミン薬の内服。
ケア: 手洗いしたら水分をよくふき取る。こまめな保湿を行う。刺激物から手袋などで手を防御する。絆創膏の使用は、皮膚をふやけさせるので控える。外からの刺激から手をガードして守る液体の塗り薬も好評です。　30ml ￥800

金属アレルギー

特徴: 金属が原因でかゆくなるという事は日常よくおこります。例えば腕に時計をすると手首が真っ赤になってかゆい。首にネックレスをするとチカチカして赤くなる。などです。
もし万が一金属のアレルギーがあるのに虫歯の治療でそれを含むものを充填するとしつこい蕁麻疹や皮膚炎など皮膚の病気を引き起こす事があります。
検査: 15種類の代表的な金属のアレルギーの有無を調べることができます。保険適用で検査代は1,050円です。
金属アレルギーの診断書があれば歯医者さんなどで本来は自費の高価な自分に合ったいい歯が入るというメリットがあります。検査（金属のパッチテスト）は完全予約制です。

異汗性湿疹

手のひらや足の裏に痒みを伴う小水疱が出現する湿疹性の皮膚疾患であり、別名、汗疱状湿疹ともいわれる。

症状: 手のひらや足の裏に小さな水ぶくれが出現する。しばらくすると皮膚がめくれて、がさがさになる。手だけではなく足や指に現れる事もありますが人に伝染ることはありません。また、水疱が出現する初期に非常に強いかゆみや不快感を伴い、かくと皮膚がめくれてさらに悪化してしまいます。春・夏に悪化し秋になると軽快することが多い。
病態: 汗かきの人に多いというが、汗が外に出ず皮膚内のphが変化し炎症・湿疹を誘発するものと考えられる。あせもと湿疹の両方が混ざり合ったものなので両方の治療が必要です。
原因: 金属アレルギーが原因ともいわれ、慢性の副鼻腔炎・扁桃炎など体のどこかに病気があることや喫煙が原因になる。ストレスや自律神経失調症も増悪因子になる。
検査: 金属アレルギーの疑いがあるときは、冬に金属パッチテストをおすすめします。
予防: 高温多湿をできるだけ避けるようにする。皮膚をめくらないようにする。
治療: 有効な治療法は見つかっていませんが、通常3～4年で症状は良くなっていきます。
かゆみや赤味を抑えるためにステロイドの塗り薬、角質のケアをするために尿素やサリチル酸の入った軟膏を使用し、触らないように抗アレルギー剤の内服等も必要になることもあります。

酒さ・酒さ様皮膚炎

特徴: 正常な皮膚にステロイド外用薬を数ヵ月以上、塗り続けた場合などに生じる顔面にうっすらとした発赤や頬、額、鼻突部の毛細血管拡張で、赤いニキビのようなブツブツが生じることもあり、ニキビと間違いやすい病気である。痛かったり、かゆかったりなど違和感があり、重症になれば風が吹いても痛い。
治療: ステロイド外用薬の中止が絶対でニキビのような赤いブツブツの治療と皮膚炎の治療との両方の治療が必要である。非ステロイド（ステロイドではない外用薬）を使用し、内服では漢方や抗生物質、ビタミンB群の内服も必要となることが多い。レーザーの治療もおすすめします。
ケア: 顔が火照るようなこと（アルコールや刺激物、日光、ホットヨガ）大気汚染を避ける方がよい。アルコールの飲みすぎにも注意が必要である。
ご使用の化粧品がご自身の肌に合っているかも、二の腕の内側などでチェックして見てください。
経過: この病気は皮膚疾患の中でも特に難治性であり、3ヶ月～6ヶ月かかることも多い。
あきらめず気長く治療することが大切です。