妊娠中だからアトピー性皮膚炎を治しましょう
2021/2/24
「妊娠していません。1年くらい子供は生まないつもりです。」と言っておられた患者さんが突然「妊娠しました。どうしょう?先生!私」と言って来院されました。当然、重度のアトピー性皮膚炎の方だったため、お薬も内服されていましたし、塗り薬も塗られていました。
内心、私も少しあせりましたが、既に患者さんがパニックになっているところへ、主治医の私までが取り乱してはいけない!いけない!ここは冷静になって・・・と、自分の心を落ち着かせながら診察を終了しました。お伝えしたのは、以下の事です。
①塗り薬は、大量でなければ大丈夫です。ステロイドも少量であれば問題無く、タクロリムスも絶対ダメ(昔はダメでした)では無く2018年7月から、「患者様が外用する事により有益ならば投与を認める」となっています。
②内服も抗アレルギー剤の中でどれが安全なものなのかはっきりわかっているので、安全なものに変更しますね。
③ナローバンドは妊娠中もあてられます。
などなど、シスロスポリンや生物学的製剤は使用しない方向性で①~③の基本治療を妊娠中も逆にしっかりとやって、出産するまでにしっかり治すようにしたいものです。なぜなら、出産すると忙しくなって通院が出来なくなる事が多いです。
赤ちゃんに“こんにちは”という前に、アトピーに“さようなら”と言うようにしましょう。